塩津と盟友の三浦さんとで訳書を出版します。
原著は「Occupation-centred Practice with Children 2ed」です。
目次と要約は以下の通りです。
1章:子どもと作業中心の実践紹介
医学モデルのOT実践から『子ども・家族と作業中心の実践』への変遷について外的影響と内的進化から説明されています。
「なぜ作業中心が必要なのか」示唆を与えてくれる章です。
2章:作業中心の実践者になる
子どもと作業中心の実践における『11の特徴』が紹介されています。
「作業中心の実践者」の行動規範となるでしょう。
3章:子どもと家族中心のサービス提供
クライエントとは誰のことを指すのか?
家族中心のサービスはどのように提供できるのかについて、セラピスト個人から施設レベルまで説明されています。
4章:文化的影響および子ども・家族と作業中心の実践
OT実践でどれだけ文化的影響を考慮していますか?
本章では『つながりのアプローチ』と『川モデル』を軸にOCPを説明しています。
5章:子ども・家族と作業の目標設定
『協働的目標設定』はOCPで欠かせません。
まずは『子どもと家族の声を聞く』ところから。
そしていくつかのツール(PEGSなど)が紹介されています。
6章:子ども・青年の作業移行
子どもの時期は多くの『作業移行』を経験します。
幼稚園・保育所→小学校→中等教育→卒後の進路など。
この章は、ライフステージを踏まえた支援について説明されています。
7章:子どもの作業と参加の評価法
子どもの作業・参加中心の評価法(OP-CAC)を軸にたくさんの評価法が紹介されています。
OP-CACは『意味→機能→形態→遂行要素』と『生活の参加領域』からなる枠組みです。
8章:日常作業遂行に対する認知オリエンテーション(CO-OP)
OCPで中心となる介入(だと思っています)
書字に関するケース・レビューも書かれています。
9章:知覚・想起・計画・遂行(PRPP)
情報処理理論が背景にある課題分析・介入システムです。
文脈の中で問題を解決していくことに有利な介入だと思います。
10章:作業遂行コーチング(OPC)
養育者に対するコーチング。
3つの可能化領域で子育てをサポートします。
11章:学校における作業中心の介入
学校作業療法の基本的特徴は3つ
1)文脈に基づいた評価
2)教育に関連する介入計画
3)協働的コンサルテーション
12章:作業中心の実践:教室がクライエントの場合
OCPでは作業中心なので「教室」をクライエントとして実践することもできます。
方法は『OTIPM』と『P4C』を軸に説明されています。
13章:子どものレジャー参加の可能化
子どもたちがレジャーへの参加するための実践はされていますか?
『EACH-Child』というモデルを軸に説明されています。
14章:アートと子どもの作業機会
子どもにおける創造性・パフォーミングアーツ・音楽などの重要性をどれだけ認識して実践されているでしょうか?
CP児へのエビデンスが高い『HABIT』にも触れられています。
15章:動物を介在した子どもと作業の結び付き支援
動物介在療法(AAT)やアタッチメント理論を軸に説明されています。
本書の帯に写真が載っているサイモンくんもいい表情!
16章:子どもと作業中心の実践における意思決定
選択肢と不確実性を踏まえた情報の統合が大切です。
SDM、リーズニング、エビデンス、またノバックさんの『信号機アプローチ』にも触れられています。
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